2月26日(土)
「厳冬期雪山登山基礎技術過程4」ニセコ
目的: 雪上急斜面でのロープワーク。特に雪面でのアンカーの取りかたを重点的に学ぶ。
内容: 午前中車両にてニセコに移動。悪天により十勝連峰で充分に学びきれなかった内容を中心にロープワーク 訓練を実施。
特にスノーバーや雪柱を利用したアンカー(支点)の取り方を学んだ。
2月27日(日)
「雪上初期課程4」
目的: 滑降用具として有効なスキーとスノーボードの技術を高める
内容: スキー場にて3名はスキー、2名はスノーボードを体験。雪の斜面での滑降の有効性を確認するとともに技 術の向上を図った。
2月28日(月)
「雪崩対策基礎技術課程1」
目的: 雪山での最大の脅威である雪崩について、その対策に必要な知識と技術について総合的に学習する。
内容: 午前中手稲パラダイスヒュッテに移動。午後、ビーコンによる捜索技術訓練。 デジタルタイプのビーコンによる捜索技術をマスターした。最初は使い慣れない機会に戸惑いつつも、回を
重ねるにつれてみるみる上達し、最終的には30m四方に埋まったビーコンを全員が5分以内に発見するま で技術が向上した。ビーコンの電波特性や使用方法について全員がよく理解していた。
3月 1日(火)
「雪崩対策基礎技術課程2」
目的: 雪山での最大の脅威である雪崩について、その対策に必要な知識と技術について総合的に学習する。
内容: 午前は主に秋田谷先生による講義と実技、午後は樋口と阿部による実技と講義を行なった。
・ 講義 「雪崩の基礎」
雪崩の発生メカニズムと雪崩災害の現状と予防について学んだ。
・ 実技 「積雪断面観察と弱層テスト」
約210cmの積雪の断面を掘り出し、積雪層の観察と雪の結晶の観 察を通して雪の特性を理解し、その後面発生表層雪崩の引き金となる「弱層」の有無を判別する「弱
層テスト」を行なった。
・ 実技 「ゾンデを使った組織的捜索方法」
隊列を組んで組織的にゾンデ捜索を行なう方法のうち、主に2点 ゾンデ法を学んだ。
・ 実技 「セルフレスキュートレーニング」
雪崩事故現場を想定した救出シュミレーションを通して、雪崩事故の初期捜索の動きと捜索方法を習 得した。 想定:雪山登山中に仲間3名が雪崩に流されて埋没。うち2名はビーコンを装着し、1名はビーコンを
装着していなかった。発生から20分以内に全員を発見救出することを目標に置いた。 それまでに培った知識と技術を総動員して、見事なチームワークのもと約13分で3名を発見救出する
ことができ、2日間で学んだ技術と知識が確実に隊員の身についていることが確認された。
・ 実技 「雪中埋没体験」
実際に雪の中に約1m埋まることによって、雪崩に流されて埋没した時の状況を把握した。時間の都 合で1名しか埋まることができなかったが、埋まった隊員は真っ暗な状況の中、雪に圧迫されて身動き
の取れない状況を身をもって体験することができた。
・ 講義 「雪崩対策の基礎」
2日間の内容を再確認するとともに、15分以内のセルフレスキューの重要性を再確認し、雪崩埋没 者の救出に当たっては低体温症を常に考慮に入れて救助死を減らす努力をする必要性を学んだ。
また、凍傷を患っている者に対する処置についても学んだ。 終了後札幌市内のホテルに移動。帰着20:00。
3月 2日(水)
当初、雪崩対策基礎技術課程3を組み入れていたが、隊員の希望により終日フリースケジュールとした。 |